「宣如上人御消息」

「美濃國多藝郡    五日講中    宣如」 
態筆を染候  仍爲志銀子廿枚到來懇意之至候 抑一 流安心乃おもむきハ
 なにのやうもなく一心一向に阿彌陀佛後生たすけ給へとたのミ奉る斗也 此外に自餘の萬善萬行に心をかくるをハ雜行となつけておほきにきらひふ也 相かまへてよのかたへ心をちらすへからす二心なく彌陀をたのミ申されへき事肝要にて候 如此決定しての上にハ ねてもさめても南無阿彌陀佛 南無阿彌陀佛と唱て 彼佛恩のふかきことを報謝すへきはかりにて候 この心得にてあらハ十人も百人も往生にうたかひあるへからす候   穴賢  穴賢 
                                                宣如  花押 

   六月廿八日 

濃州多藝郡十二村五日講中

高さ20.5cm      長さ184cm

表具           赤地本金八藤紋

軸先           本水晶仕様

軸先回り     本金箔押仕上

天地           本金箔押仕上

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